pitti2210の日記

続くとは思えない

距離感のこと、えいとまん「えいとまん先生のおかげで彼女ができました!」のこと

いつもながら日曜の朝は忙しくて汗だくのまま時間は過ぎ去り、午後からは昨日からやってた部屋のレイアウトを変えていたら暑さでさらに汗だくになって少しバテた。

午後からも最近やっていた作業をやってて、その傍ら8月のためのプレイリストを弄れたのは良かったが、一方でフジロックに対抗して3日間録り溜めていた音楽ライブ映像を消化するという計画は見事に頓挫した。まあそんなことをしなくても気を紛らせられた証拠とも言えるので悪いことではないと思う。

Twitterの名前が変わったのであまり見ないようにしているのもあるし、配信をやめたので影響力が低下したのもあるのかもしれないが、フジロックがよくも悪くも遠い場所の出来事に感じられ、なんなら配信をやってるコーチェラの方が近くに感じられるのだが、それは実際のところ現場に赴かない私との距離感そのもので、北海道から新潟県湯沢町より、アメリカの西海岸の方が近く感じられるのはなんとも奇妙で、だけどテレビやインターネットが距離感というものを劇的に変化させていることの証左でもあると思う。

関係ないけどYOASOBIのライブが見たくて1ヶ月間WOWOWに入ったのでSUMMER SONICSONICMANIAの配信は観れそうなのでそれはとても楽しみ。今の私には石狩湾築港より幕張メッセの方が近いのかもしれない。

 

えいとまんの「えいとまん先生のおかげで彼女ができました!」を読んだ。電子版が同発(成年マンガでは画期的?コアマガでは普通?)だということを知らなかったのもあるが、これは買っておいた方がいいとは思った。

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成年向け作品、というかエロマンガなので万人向けとは言わないが、とても優れた作品であることは疑いなく、何か間違えば伝説となっている鳴子ハナハル先生の単行本の売上を超える可能性さえあると思う。エロマンガの金字塔と言える作品だ。

全5話、表題作のシリーズのみが収録されていて、他の短編は一切ない。表紙にはエロ要素はなく、また帯による煽り文の類のものもなく、なんなら目次すらない。極めてミニマムな作りになのだが、内容に関してはここ数年に発表された作品で今作以上にエロいものはない、とは言い切れないが(それだけ業界が充実してるので)、そう断言しても良いのではないか?と思われるレベルだ。

ヒロインは女子高生でギャル。ビッチ、かつエロマンガオタク。竿役はその学校の教師、童貞。2人はエロマンガを売ってる書店で遭遇し、男の方がその状況に怯えつつも、エロマンガの話で意気投合し、男はギャルに食われる。ただそれだけの話なのだが、雑誌掲載時の全4話に、書き下ろしの1話を加えた全5話で、女の子の過去と恋愛観が徐々に明かされ、また同時に男のコンプレックスと誠実さ、そして揺れ動く感情が丁寧に描かれていて、もちろん端的にエロいのもあるのだけど、毎回濡れ場を描かなければならないというエロマンガの制約の下で、この繊細な現代のファンタジーを描き切ったのは賞賛に値する。

エロマンガが単行本1冊でお話を展開させる作家はその時点で少ないが、男と女それぞれ1人ずつで展開させた例は、ないこともないと思うが傑作に限れば正直記憶はない(今ふと佐伯先生の作品を思い出したけど、あれチョイ竿がでるし)。大抵は女の子が複数人になることでバリエーションをつけるのが基本だけど、今作はたった2人だけで全5話をひたすら読ませてくる。余計な男女は出てこない。

個人的には鳴子ハナハル幾花にいろに続く、10年に1人とも言えるエロマンガという枠組みを拡張する作品だと思う。もし今エロマンガの最初の一冊を訊かれたら、迷わずこの作品を勧めます。部屋に飾ればおしゃれだしね!