pitti2210の日記

続くとは思えない

ヤマシタトモコ『違国日記』11巻のこと、『search/サーチ』のこと

ヤマシタトモコの「違国日記」の最終巻を読んだ。終わった〜〜〜!!と思った。

このお話は交通事故で両親を失った朝を、その叔母にあたる小説家の槙生が引き取るというもの。槙生は朝の母である姉とは仲が悪く疎遠であった。朝は高校3年生になり、進路や生き方について考えている。

今年の2月のKindleでセールで大人買いして数回読んだけど、いわゆる擬似家族というジャンルに該当する作品なのだと思う。実際の子ではない、しかし血のつながりはある、という点において厳密な擬似家族に該当するかはわからないが、彼女たちは彼女たちなりの努力を重ねて家族と呼ばれる関係性に、もしくは強い結びつきを得るに至った。そういう段階に到達したから物語は終わった。そう解釈した。

僕は両親が健在だし、一方で子も甥も姪もいないのでこの物語の主要なキャラクターの実際の心情はわからない。だけど叔母である槙生の好きな人がいるとか、好きだけど恋人になりたいわけではないとか、でも人と関わっていたいとか、そういう対人関係に難がある彼女の葛藤は共感が多く、読んでいてしみじみすることが多かった。人は大人になっても何も変わらず、強くなったり弱くなったりを繰り返していくのだろう。大きくは変わらないまま立場によって様々な手立てをとるのだろう。そんなことを思った。

朝が学校を卒業したりとかそういうタイミングではなく、彼女たちの関係性がある程度確固たるものになった段階で幕を引くのはとても美しい。

 

search/サーチ」という映画をNetflixで見た。

すべて、というかほとんどがPCの画面の中で展開されるという尖った映画なのだけど、起こることは割と王道というか、作り手のエゴを押し付けられたような印象がなかった。ネタバレになるので詳細は書かないけど、やってることはめちゃくちゃ尖ってるけど、手触りとかはかなりしっかりしている。映像の緩急、方向性、すべてが見る人に寄り添っている。とてもいい映画だった。2も観たい。

まだ書けることは残っているけど、疲れたのでここで終わります。さっき明日食べる用のローストビーフを仕込んだら肉欲が爆発して疲れた。良い週末を。