pitti2210の日記

続くとは思えない

「コーヒートーク エピソード2:ハイビスカス&バタフライ」のこと

Nintendo Switch版「コーヒートーク エピソード2:ハイビスカス&バタフライ」をクリアした。プレイ時間は3時間ほど。前作もそうだけど、心に余韻を残すゲームだと思う。すばらしかった。

このゲームは喫茶店「コーヒートーク」のバリスタとして注文を受けて飲み物を提供するもので、飲み物が正解か否かで物語が多少分岐していくタイプのゲームだ。分岐といっても大まかな流れは変わらない。基本的にはバリスタとお客、もしくはお客同士の会話を聞くだけのもので、ゲーム性はあまりない。

だけどそこで展開される物語はとても興味深い。舞台は2023年のアメリカのシアトルだが、現実とは異なり様々な種族のキャラクターが登場する。具体的には人間、サキュバス、エルフ、吸血鬼、人狼ネコミミ族、オーク、魚人、宇宙人が登場し、今作ではさらにサテュロスとバンシーのキャラクターが登場する。これらは現実における多様な人種、民族、国家の違いを反映したもので、それぞれのキャラクターの悩みや苦労がお店では会話される。

今作で一番よかったのは、新登場となったバンシー族のリオナの話だ。彼女はオペラのソプラノ役になる夢を抱きつつ長距離配送のアルバイトをしていて、どうやって夢を叶えるかある意味途方に暮れている。そんな中、コーヒートークインフルエンサーのルーカスに出会い、番組への出演を持ち掛けられるも断ってしまう。彼女はソプラノ役になる夢は正面から叶えたい。しかしバンシー族は権利を認められたのが遅く、社会の多くの場所で差別されている。正攻法で夢を叶えるのは難しい。それはわかっている。しかし他者の助けを借りることにも葛藤がある、という話だ。

コーヒートークではそのようなお客さんの物語が一つだけでなくいくつか、しかも日を跨ぎながら進行するのだが、やはり彼女の葛藤は見ていてものすごく身につまされる。僕はある部分において夢を叶えたけど、とはいうものの胸を張れるような毎日を送っているかと言われればそうではなく、人の助けを借りたり、また逆に助けたりして生きている。たとえ判断が間違っていても優先したいエゴも時にはある。

一応補足しておくと、彼女はわりと頑固な人物で、見知らぬ人のオファーを気軽には受けないのだけど、そんな彼女でも葛藤する。その物語がルーカスをはじめとした他の客の物語と交差していくシナリオはとてもすばらしかった。

エピソード2ということで、補足みたいなものを想像しているかもしれないけど、これはまごうことのない正当な続編であり、完全新作です。新規要素として入っていたSNSのタイムラインもすばらしかった。1をやった上で欲しいものも全部入ってた。3も待ってます!!

 

今日は蒸し暑い一日で疲れました。