pitti2210の日記

続くとは思えない

Twitterの名前のこと、花澤香菜「灰色」のこと

Twitterの青い鳥が殺された。名前もXに変わるらしい。大喜利はともかく、僕はTwitterという名前が好きだった。ツイートという言葉が好きだった。投稿するのではなく呟くのが好きだった。そういう文化や歴史そのものが根こそぎ奪われた気分だ。実際にはアーカイブが残っているし、アカウントが削除されたわけではない。でもとても悲しい。名前は気軽に奪っていいものではない。絶対に許さない。

 

お昼に聴いた花澤香菜の新曲がすばらしかった。

作曲並びに編曲はお馴染みの北川勝利。彼女が声優を務めるアニメの主題歌とのことだが、長年花澤香菜と北川勝利の作品を聴いてきてこのような楽曲は記憶にない。90年代終わり頃から00年代初頭のJ-POPを彷彿させるような、ハードロックを源流とするようなJ-POP、より具体的にいうと『LOOSE』から『GREEN』にかけてのB'z、もしくはデビュー初期の浜崎あゆみをはじめとした、あの頃のJ-POPでよくあったストリングスを多用しつつ湿度のあるサウンドだと思う。スピッツの「美しい鰭」もそうだけど、最近局所的にB'zオマージュ流行ってる?

それを2010年代にデビューし、歌手生活10年を過ぎた今の花澤香菜が歌うのがたまらなく新鮮なのだ。声優として活動し、渋谷系、もしくはそのポスト的な立ち位置の北川勝利のプロデュースで地位を着々と固めた彼女が、まるで時を遡ったような楽曲で、自身が培ってきた繊細でありながら単語一つ一つを絶対に漏らさずに正確無比の歌を載せる。現在の日本で最も表現力のある歌い手だと僕は勝手に思っているけど、そんな彼女が時を遡る。彼女の作品特有のコーラスの処理とともに、オマージュの枠組みに留まらない、リバイバルと言える化学反応を起こしている。

これテレビでやってくれないかなあ。生演奏、ライブでもいいです。ブルーレイでもいいから。見せてください。今年のベストソングは米津玄師の「地球儀」かなあと思っていたけど、あっさり更新しました。墓に入れたくなるくらい、狂おしいほど好き。